こんにちは、XONE STUDIOのくまひろです。
前回はベースのMIDI打ち込みについて説明しましたので、今回はギターのMIDI打ち込みについて説明致します。
ギターとは
ギターはエレキギター、アコースティックギター、ガットギター、12弦ギターなどの種類があります。種類によってはギターの弾き方が異なる為に、MIDI打ち込み方も変わってきます。
エレキギターは音楽のジャンルに関係なく、非常に幅広く使われています。本体だけでは小さな音量しか出せませんが、弦の振動をピックアップで拾って、ギターアンプで増幅する事によって自由な音量を得ることが出来ます。
ギターアンプ
DTMでMIDI打ち込みする場合も、ギターアンプの出音をシュミレートする事によって、よりエレキギターらしくなります。
音色について
音質的にはクリーンサウンドと歪んだディストーションサウンドの二種類に分けられて、ディストーションサウンドはエレキギターでしか出せない音色です。歪んだ音も歪み方によって、オーバードライブ、ディストーション、ファズに分類されます。
アコースティックギター
アコースティックギターは本体が大きな箱のようになっていて、この箱の中で音を共鳴させて音を出すので、ある程度十分な音量が得られます。アコースティックギターの弦はブロンズ(銅)の弦を用いるのが一般的で、ブライトで張りのあるサウンドです。
リードプレイよりもバッキングギターとして使用される事が多く、弦をかき鳴らすようにしてリズムを作るコードストローク奏法や、指で弦をつま弾くアルペジオ奏法があります。
ガットギター
ガットギターはアコースティックギターの一種ですが、弦にナイロンを使用することで、ソフトで温かい音色を得ることが出来ます。
以前は独奏用として使われていましたが、現在ではクラシック、フラメンコ、ポップス、ボサノバなど独奏、伴奏に関係なく幅広く使われています。
12弦ギター
12弦ギターはエレキギターとアコースティックギターがありますが、アコースティック12弦ギターの方が一般的です。12弦ギターは通常の6弦に加えて3~6弦には、1オクターブ高くチューニングした弦を、1,2弦には同じ高さの弦を張ってあります。この二本ずつまとまっている弦の微妙なピッチのずれが、独特のうねりのあるサウンドを作り出しています。
リードプレイよりもコードストローク奏法や、アルペジオ奏法など、バッキングギターとして使用される事が多いです。
ギターMIDI打ち込みのポイント
ギターは基本的に6弦張ってありますので、6音以上出すと不自然になります。左手の親指は指の動きを支える支点の役割をする為に、実際に弦を押さえるのは残りの4本の指となります。
実際には3音か4音が基本だと思って、MIDI打ち込みするとよりギターらしくなります。
ギターではボイシングの制限が大きいので、鍵盤楽器で弾けても、ギターで弾けないコードも存在します。
ギターのコードのボイシングにはローコード、ハイコード(セーハ)、テンションコード、分数コード、クリシェがあります。
パワーコード奏法
パワーコード奏法はコードの構成音の3度を省略した、ルートと完全5度(または回転形となる完全4度)だけのサウンドがあります。特にハードロック系では好んで使用されます。ディストーションサウンドでは倍音が非常によく響き、3度を低音域に入れると音が濁ってしまうからである。
ミュートを上手く活用してリズムを出すことによってグルーブ感が出せます。
コードストローク奏法
コードストローク奏法をMIDIで打ち込む際には、ロケーションをずらす事によって、よりコードストロークらしさを演出する事が出来ます。私の場合は64~128ぐらいロケーションをずらしますが、ロケーションをずらしすぎるとギターストロークがまったりし過ぎますので、曲を実際に聴きながらロケーションをずらすと良いでしょう。
実際のストローク奏法ではゴーストノート(空ピック)を使用しますので、MIDIで打ち込む際にはデュレーションとベロシティの設定が大事です。
グルーブ感を出すには、ゴーストノートと実音のバランスがポイントになってきます。
アルペジオ奏法
アルペジオ奏法をMIDIで打ち込む際にはコードチェンジするまで、デュレーションを伸ばすとよりアルペジオ奏法らしくなります。
ディストーションサウンドではサステインが長いので、音を重ねすぎるとサウンドが濁る場合があります。そんな時は、デュレーションを短くするとより雰囲気が出せると言えます。
ハンマリング・プリング奏法
ハンマリングとプリング奏法はピッチベントを使用して、MIDI打ち込みするとよいでしょう。
ハンマリングオンは指で弦を叩く奏法で、上行スラーを得るテクニックです。
プリングオフはハンマリングオンを逆にした奏法で、下行スラーを得るテクニックです。
一回のピッキングで音が伸びている間はこれらの奏法を連続して行うために、MIDIで打ち込む際には最初の音よりも大きく打つ込むと不自然になります。
チョーキング奏法
チョーキング奏法はロック系エレキギターのリードテクニックで、ピッチベンドを使用して、MIDI打ち込みするとよいでしょう。
実際にはピッキング後、押さえてる弦を押し上げたり、下へ引っ張ることによってピッチを変えます。
チョーキング奏法はハンマリングオンやプリングオフと違って、連続したピッチ変化が重要になってきます。状況によっては直線的なピッチのカーブや、立ち上がりの早いもの、なだらかに上がるものがあります。
ワンパターンにならないように必要に応じてピッチベンドをエディットして下さい。
スライド奏法
スライド奏法は左手で音を抑えたまま指板上を上下させて、音をなめらかにつなぐテクニックです。
しゃくりあげるスライドはチョーキングと同じ要領で打ち込みますが、あらかじめベンドデータを下げておいて本来の音になるまで、スライドさせてさらに音を入力する必要があります。
ビブラート奏法
ビブラート奏法はピッチを上下させることで表現します。本来は音を伸ばすために使用されますので、ディストーションギターソロでは多用されます。
MIDIで打ち込む際にはピッチベンドを使用したり、モジュレーションを使用したりして表現します。
ギターは様々な奏法がありますので、作曲したいジャンルによって、MIDIの打ち込み方を研究する必要があります。そんな時はギターリストの友達を作って実際のギター奏法を学ぶと、MIDIの打ち込みも理解できると思います。
あなたにとって素敵な作曲生活が送れますように…。
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