こんにちは、XONE STUDIOのくまひろです。
前回はホーンセクションのMIDI打ち込みについて説明しましたので、今回はストリングスのMIDI打ち込みについて説明致します。
ストリングスとは
ストリングスとは、弦楽パートの総称で、楽器構成はヴァイオリン・ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの種類があります。
ヴァイオリン
ヴァイオリンは、ストリングスでは花形のパートで、主たるメロディーを演奏します。特にコンサートマスター(コンマス)は、指揮者に次いで特に重要視される演奏家ですので、指揮者とコンサートマスターが、コンサートホールで演奏後握手を交わす事があります。
第1ヴァイオリンがメロディーを演奏し、第2ヴァイオリンがオブリガードを演奏する事が多いです。
ヴィオラ
ヴィオラは、ヴァイオリンを一回り大きくした楽器で、ヴァイオリンとチェロの中間の音域を担当するパートです。
チェロ
チェロは、低音パートで椅子に座って演奏します。豊かな響きが特徴で、声の音域に一番近いパートです。
コントラバス
コントラバスは、ストリングスの中でも、もっとも低い音を出すパートです。コントラバス専用の座面の高い椅子に座るか、立って演奏します。
ストリングスアンサンブルにはカルテットと呼ばれる弦楽四重奏から、30人以上の大編成まで目的とする様々なサウンドによって編成されています。
ストリングス編成
ポップス系のバックグラウンドなどでよく使われる編成は、第1ヴァイオリン×6、第2ヴァイオリン×4、ヴィオラ×2、チェロ×2の合計14人編成で、俗にロク、ヨン、ニー、ニーと呼ばれたりします。
その際にはコントラバスは、音域的にもベースと重複していますので、外される事が多いですが、バラード曲などは積極的に、コントラバスを使用する事もあります。
ストリングスは、ホーンセクションとは違い一つのパートを、複数の奏者が受け持ちますので豊かで広がりのある響きを生み出します。
各楽器の配置は左から右にかけて、高音~低音のパートが並びますので、MIDI打ち込みでもそのような定位で配置させた方が広がりがあります。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが、ユニゾンやハモリで動くようなパターンなら、それぞれが左右に定位させた方が広がりが出しやすい。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが、同じ音色でMIDI打ち込む場合は、デチューンを使ってピッチをずらすのも効果的です。
ストリングスをMIDIで打ち込む際には、アタックの立ち上がりが肝となります。
ゆったりとしたレガートのフレーズとかけ上がりなどの、速いフレーズが混在してる場合はどちらかに合わせないと不自然になります。
アタックの速い音色とアタックの遅い音色使い分けて、MIDI打ち込むとストリングスらしい雰囲気になります。
ビブラート奏法
ビブラート奏法は、弦を押さえた指を弦と水平方向に動かしますが、MIDIで打ち込む際はモジュレーションを使用します。
スラー奏法
スラー奏法は、一回の弦の動きで複数の音をレガートで演奏する奏法です。MIDIで打ち込む際にはピッチベンドを使用しますが、ピッチベンドにも使用できる音程の限界がありますので注意が必要です。
ポルタメント奏法
ポルタメント奏法は、音を滑らかに繋ぐ奏法です。ピッチベンドを使用して、MIDIを打ち込みます。
トレモロ奏法
トレモロ奏法は、弓を急速に動かして同一の音を出す奏法です。MIDIで打ち込む際には、実音を連打で打ち込むか、エクスプレッションを細かく入力する方法があります。
ピチカート奏法
ピチカート奏法は、弦を指ではじく奏法です。MIDIで打ち込む際には、ピチカート音のインスツルメンツを選択するか、ピチカート音になるまでベロシティを調節する方法があります。
まとめ
ストリングスはすべてのジャンルに多用されますので、楽曲表現豊かにを作曲する際には積極的に使用したいパートです。
五回に渡ってMIDI打ち込みを説明しましたが、ご理解頂けたでしょうか?
MIDI打ち込みが出来るようになって、作曲や編曲のやり方のコツがつかめれば、それだけ作曲生活が楽しめると思います。
音楽とは、人が音を楽しむ為のモノです。
自問自答せずに時には人に答えを委ねてみるのも、一つの手かもしれません。
あなたにとって有意義な作曲生活が送れますように…。
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