ライブ配信講座⑰ マイナスワン

ライブ配信講座

こんにちはXONE STUDIOのくまひろです。

 

前回はライブ配信で使用する最高画質のビデオカメラについてご紹介いたしましたが、今回はハイブリッド型ウェビナーで他拠点参加する際のマイナスワンについてご紹介していきます。現在のライブ配信よりも安定した配信をお考えでしたら、参考にしてみてください。

マイナスワンとは

マイナスワンとは複数の音声から特定の音声を消去した状態にする事です。

ZOOMやteamsなどの双方向通信アプリによって、自拠点の音声を他拠点に送信し、逆に他拠点との音声を自拠点で聞く事で相互コミュニケーションを図ります。

マイナスワンの必要性

自分の声を自拠点でモニター出来ればそれがハウリングになる可能性があるため、自拠点の音声は他拠点だけでしか聞く事が出来ないようにアプリ側で設定されております。

しかしハイブリッド型ウェビナーで双方向通信アプリをライブ配信に乗せる際には個別でマイナスワンをする必要が出てきます。

マイナスワンのやり方

ZOOMなどの双方向通信アプリを使用すればZOOM上でマイナスワンが可能ですが、ハイブリッド型の場合は他拠点の音声を会場に送り、その音声以外をZOOMに送る場合がありますので、AUX付きミキサーのAUXセンドを利用してZOOM他拠点の音声以外をZOOMへ送信する必要が出ます。

  1. SM58などのダイナミックマイクをミキサーに入力する
  2. PCでZOOMを起動しオーディオインターフェイスに接続する
  3. ZOOMでマイク・スピーカーをオーディオインターフェイスの入出力に設定する
  4. オーディオインターフェイスの出力をミキサーに入力する
  5. ミキサーでマイクだけのチャンネルAUXを規定まで上げる
  6. ミキサーでAUXセンドを規定まで上げる
  7. ミキサーのAUXアウトからオーディオインターフェイスに入力する
  8. ミキサーのメインアウトからアンプに入力する
  9. アンプ出力からスピーカーへ入力する
  10. ミキサー・アンプの順に電源を入れる
  11. ミキサーの各チャンネルのゲイン・フェーダーを規定まで上げる

気になるポイント

私が音響担当として乗り込み業者からマイナスワンでお願いしますと言われましたら、すぐに対応した記憶がありますが、私がホテルに乗り込む場合は、マイナスワンに対応してくださらない担当者もいますので、注意が必要です。

なぜなら会場音響担当者は打ち合わせに参加せずに、当日言われた事だけを行っておりますので、マイナスワンも含めてライブ配信業者が対応するスタンスを持てば、当日あたふたしないと考えております。

ハイブリッド型ウェビナーの場合は、基本的にコンデンサーマイクは使用しません。ハウリング帽子でダイナミックマイクを使用してください。

ZOOM LiveTrak L-12

そこでXONE STUDIOではZOOM LiveTrak L-12を導入しました。これだけMONITOR OUTがあれば6系統のマイナスワンが可能だからです。

スペック

■デジタルオーディオ・ミキサー
・モノ8ch + ステレオ2chの合計12chの入力
・最大入力ゲイン +60dBの高品位マイクプリ
・48Vファンタム電源を供給可能(1?4ch、5?8ch)
・ギター/ベースなどの楽器入力に対応するHi-Z入力(1?2ch)
・26dB減衰させるPADスイッチ(3?8ch)
・異なるミックスを送れる5系統のモニターアウト
・3バンドEQ(MIDはセミパラメトリック)
・16種類のセンドリターン・エフェクト
・各モノchに1ノブタイプのコンプレッサーを搭載
・シーンメモリ機能(最大9種類)
・60mmストロークのチャンネルフェーダー
・視認性の良い12セグメントLEDレベルメーター

■マルチトラック・レコーダー機能
・最大14トラックの同時録音、12トラックの同時再生
・最高24bit/96kHzでSDカードに録音可能
・ミックスダウン、オーバーダビング、パンチイン/アウト録音
・外部USBメモリに録音データの書き出し・読み込みが可能
・メモ録音に便利な内蔵スレートマイク
・プリカウントを設定できるメトロノーム
・入力音をトリガーに録音スタートするオートレコード
・2秒前に遡って録音できるプリレコード
・任意の位置へロケートできるマーカーを最大99個まで登録可能
・別売フットスイッチ(FS01)で、レコーダーの再生/停止、パンチイン/アウト、内蔵FXのミュート操作が可能

■USBオーディオ・インターフェース機能
最大14chの入力、最大4chの出力
最高24bit/48kHz
USB2.0に対応(Mac、Windows)
クラスコンプライアント・モードでiOSデバイスに対応
(Apple Lightning – USBカメラアダプタが別途必要)
コンピュータのジッタに影響されないアシンクロナス(非同期)転送システム

■センドエフェクト(16タイプから選択)
Hall 1 & 2 (リバーブ)
Room 1 & 2(リバーブ)
Plate (リバーブ)
Church (リバーブ)
DrumAmb (リバーブ)
GateRev (リバーブ)
Spring (リバーブ)
Delay (ディレイ)
Analog (ディレイ)
P-P Dly (ディレイ)
Vocal 1~4 (ディレイ + リバーブ)

■サイズ(WxHxD): 445 x 282 x 70.5mm
■質量: 2.53kg

気になるポイント

購入して気づいたのですが、各MONITOR OUTはMASTER OUTと独立しており、リンクする事ができません。

言わばAUX Postが出来ずに全てPreという事です。これではBGMを操作する際にフェーダーで同時に操作できるのがMASTER OUTかMONITOR OUTのどちらかになります。そこで私はBGMを再生するPCの音量を上げ下げして対応しましたが、実際にはどこかのMONITOR OUTはプリとポストを選べるようにして欲しかったです。

まとめ

通常のライブ配信ではマイナスワンを行う必要がありませんが、他拠点と相互通話を行うハイブリッド型ウェビナーであればマイナスワンが必須となります。実際にマイナスワンする際はもっと複雑な結線となりますが、基本的にはAUX付きミキサーでマイナスワンが出来ますので、音響の知識がある配信スタッフが現場に入れば問題ないかと思います。

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