ライブ配信講座⑨ マイク

ライブ配信講座

こんにちはXONE STUDIOのくまひろです。

 

前回は私の好きなPanasonicカメラについてご紹介いたしましたが、今回は配信用マイクも紹介していきます。現在のライブ配信よりも少しステップアップをお考えでしたら、参考にしてみてください。

ライブ配信用マイク選びとは

ライブ配信用マイクは音響用マイクとは少し考え方が違います。音響用マイクもライブパフォーマンス用とレコーディング用と分かれていますが、ライブ配信用とはその間の特性を持つコンデンサーマイクを使用する事が多いです。

最近の支流であるハイブリッド型ウェビナーではライブパフォーマンス用のSHURE SM58を使用する事もありますが、それは演者の音声を会場に拡散するためで、通常のウェビナーでは集音性や音質に特化したコンデンサーマイクが使い易いです。

なぜなら演者はパソコンを操作しながら講演する際にマイクを持ちながらだとスライド送りが難しいですし、卓上スタンド+ダイナミックマイクですとマイクに近寄ったり、離れたりする際にはマイクの音量調整を行わないといけないからです。

安定した配信を行う際にはマイクだけではなく、カメラ映像や配信状況など注意すべき点が多岐に渡るため、マイクはコンデンサーマイクを使用して安定したライブ配信運用を心掛けてください。

audio-technica AT4021

まずはaudio-technicaAT4021をご紹介いたします。

特徴

  • 新開発 ダブルウェーブダイアフラム(PAT.)を採用。クラスを超越した感度特性、超ローノイズレベルを実現。
  • ブラッシュアップされた中低域特性が金物、ピアノ、アコースティックギター等を立ち上がりよくナチュラルに表現します。
  • 暗騒音を効果的にカットする80Hz・12dB/oct.ハイパスフィルター、あらゆる現場で重宝する−10dBパッドスイッチを標準装備。
  • 携帯電話やワイヤレスインカム、電波に対するRF対策を強化。ノイズを大幅に軽減し環境の悪い現場でのトラブルを解消します。

スペック

型式 バックエレクトレット・コンデンサー型
指向特性 カーディオイド
周波数特性 20~20,000Hz
開回路感度 −34dB
最大音圧レベル 148dB S.P.L.
等価雑音レベル 78dB以上
パッド 10dB
ローカットフィルター 80Hz、12dB/oct.
インピーダンス 250Ω
電源 ファンタム ファントムDC 11~52V
消費電流 3mA
寸法(φ×H) 21×144mm
質量 119g
付属品 マイクホルダー AT8405a、ウインドスクリーン
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オプション

オプション品ですが、ショックマウントのAT8410aがAT4021にベストマッチします。

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さらにAT8410aのベースとしてAT8601もベストマッチします。

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気になるポイント

AT4021はマイクの長さが短くカメラに映り込みにくいので、現場では重宝しておりますが、口元とマイクまでの距離が少しあるためゲインを上げないと適正な音量を稼げない事が多いです。

RolandのビデオミキサーであるVR-50HDであればゲイン幅が多いため問題ないのですが、VR-1HDやVR-4HDではゲイン62~64(最大)まで上げる必要が出てきます。

SENNHEISER MKE600

以前からこのブログやYouTubeチャンネルでご紹介しているSENNHEISER MKE600です。

MKE 600 はビデオジャーナリストやフォトグラファなど、サウンドクオリティにも妥協ができないプロフェッショナルな映像クリエーターのために開発されたショットガンマイクロフォンです。

特徴

  • ゼンハイザーのコアテクノロジーでもある洗練された干渉管設計により、音質を損なうことなく、サイドやリア方向からの不要なサウンドを確実に減少させ、正面方向からのサウンドを確実にピックアップします。 その音質は放送や映画の分野でスタンダードとなっているMKH 416のサウンドをモデルとしており、声の芯を捉えます。
  • 電源はファンタム48Vと単3電池両方に対応しており、48Vが供給可能なミキサーやカムコーダーだけでなく、オプションケーブル(KA 600、別売)を使用することで容易にデジタル一眼レフカメラにも接続することができます。
  • 回路設計や素子の選択により驚くほど低いセルフノイズ比を実現し、音のリアリティのポイントとなる圧倒的ダイナミックレンジにつながっています。
    また外部からのノイズ対策として、付属のマイクホルダ「MZS 600」は高品質なラバークッションを採用し、レンズ駆動音などカメラ側から伝わる振動を驚くほど低減します。また搭載している切り替え式ローカットフィルターを使用すればウインドノイズやハンドリングノイズなど低い周波数のノイズを抑制することができます。
  • 付属のフォームウィンドスクリーンを併用すればさらに風防性能を高めることが可能ですが、風のある屋外での使用にはオプションの毛風防(MZH 600、別売)の使用をおすすめします。
    さらに強風の環境(山やビルの屋上、サッカーのピッチなど)での本格的な風防対策としてはオプションのウィンドシールドキット(WS KIT 295、別売)を使用してください。

スペック

形式 コンデンサー型
指向特性 スーパーカーディオイド/ローバー
周波数特性 40 Hz ~ 20 kHz
開回路感度 21 mV/Pa (P48)、19 mV/Pa (battery)
最大音圧レベル 132 dB SPL (P48)、126 dB SPL (battery)
等価雑音レベル 15 dB (A) (P48)、 16 dB (A) (battery)
パッド なし
ローカットフィルター 48 V ± 4 Vまたは単3電池(1.5 V/1.2 V)
インピーダンス 200Ω以下
電源 ファンタム 48 V ± 4 Vまたは単3電池(1.5 V/1.2 V)
消費電流 4.4 mA (P48)
寸法(φ×H) 20×256mm
質量 128 g (電池含まず)
付属品 カメラシュー取付ショックマウント(MZS 600)、フォームウインドシールド(MZW 600)、ケーブル(KA 600)

気になるポイント

AT4021と比べ本体の長さが長いため、演者用で使用する場合マイクやウインドシールドがカメラ画角に映り込む場合があります。その際にはマイクの位置を遠ざけたりしますが、そうなる事でゲインを上げないといけないため、XONE STUDIOでは司会(影アナ)で使用する事が多いです。

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AKG C451B

前職でピアノやアコースティックギターの集音でよく使用していたAKG C451Bも紹介しておきます。

特徴

  • 極めて優れた過渡特性を備えた極小のダイヤフラムを搭載。ハイハットやドラムのトップ、アコースティックギターなどの立ち上がりの鋭いサウンドを忠実に再現。
  • バックグラウンドノイズの影響を抑えて狙った音源を的確に捉える、タイトなカーディオイドの指向特性。
  • 最大音圧レベルは135dBに達し、音圧の高い楽器もクリアに収音。3段階切り替え式のパッドも装備。
  • 設置場所を選ばない小型・軽量ボディーにより、自由なマイキングが可能。
  • 3段階切り替え式のローカットフィルターを搭載し、フロアノイズの影響を低減。
  • カートリッジとプリアンプを一体化することで、接触不良によるノイズの発生を防ぎ、信頼性が大幅に向上。シャーシは高い耐久性を実現すると共に、外来ノイズの影響を低減するオールメタル製。
  • 内部および接続端子には金メッキ処理を施し、経年変化による音質の劣化を防止。
  • 厳密にマッチングを行ったステレオペアも用意。

スペック

形式 コンデンサー型
指向特性 カーディオイド
周波数特性 20Hz~20kHz
開回路感度 -41dB re 1V/Pa
最大音圧レベル 135dB SPL (パッドOFF、THD 0.5%)
等価雑音レベル 18dB SPL(Aウェイト)
パッド 0/10/20dB
ローカットフィルター Flat/75Hz(12dB/oct)/150Hz(12dB/oct)
インピーダンス 200Ω以下
電源 ファンタム DC9~52V/2mA以下
端子 XLR(3P)
寸法(φ×H) 19×160mm
質量 130g
付属品 マイクホルダー(SA60)、ウインドスクリーン(W90)、
特性データシート、キャリングハードケース

気になるポイント

色がシルバーで目立ち易い。PAではシンバルなどの金物系やピアノの高音を狙って集音するため、やや高音寄りな音質になり易い。女性影アナで使用すると良い結果になりそうです。

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AKG
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audio-technica AT857D

画像出典:audio technica

次はaudio-technica AT857Dです。こちらは収納した際には嵩張りますので、スタジオ常設してある事が多いマイクです。

特徴

  • 会議・放送用途に最適な、スリムで高音質なマイクロホンです。
  • Cはカーディオイド特性を表わしています。
  • 新開発のマイクユニットは超小型で高感度。ワイドレンジで大音圧にも強く、信頼性も抜群です。
  • パワーモジュールを内蔵したコネクターはバランス型のキャノンタイプ。空調ノイズ等をカットするのに有効なローカットスイッチ付です。
  • 使いやすさと長さはそのままに。ダブルグースネック仕様を継承いたしました。
  • 携帯電話や電波に対するRF対策を強化しノイズを大幅に軽減し環境の悪い現場でのトラブルを解消します。

スペック

形式 コンデンサー型、グースネックタイプ、ロングサイズ
指向特性 単一指向性
周波数特性 40~20,000Hz(ローカットスイッチ付)
開回路感度 -39dB(0dB=1V/1Pa、1kHz)
最大音圧レベル 139dB・S.P.L.
SN比(1kHz、1Pa) 69dB以上
消費電流 2mA
ローカットフィルター 80Hz、18dB/oct.(ON/OFFスイッチ付)
インピーダンス 250Ωバランス
電源 ファンタム DC9~52V/2mA以下
端子 XLR(3P)
寸法(φ×H) 径24.6mm、長さ500mm
質量 165g
付属品 なし

オプション

画像出典:audio-technica

オプション品にはXLRの卓上ベーススタンド AT8655があります。スイッチ付きもありますが、演者にスイッチコントロールはプロじゃない限り触らせたくありませんので、スイッチなしを紹介しておきます。

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気になるポイント

いま値段を見てみましたらベースマウントと合わせて意外と値段が高かったです。私の中でマイクは1万円以内(初心者用 )、1〜3万円(中級者用)、3万〜10万円(プロ用)、10万円以上(高級品)と言うふうに値段分けしながら考えていますので、こちらはプロ用といった機材になります。

機材の値段は内部機材の値段で音質と比例しておりますので、音響機器に関しては安物買いの銭失いは辞めましょう。

SENNHEISER XS Wireless Digital Lavalier Set

最後に紹介するのは最近購入してレビュー動画を撮影したいのですが、なかなか時間的余裕がないSENNHEISER XS Wireless Digital Lavalier Setをご紹介いたします。

特徴

  • XSW-D LAVALIER SET は、オーディオソース(音源)をデジタル伝送でシームレスにリンクする、ワンタッチで使いやすいワイヤレスオーディオセットです。
  • ME 2-II ラベリアマイクロホンがセットになった洗練されたソリューションは、信頼性の高い接続を維持しながらデジタル一眼レフやDSLR、ミラーレスカメラ等での収音をこれまで以上に容易にします。

スペック

形式 コンデンサー型
指向特性 無指向性
周波数特性 50 – 18 kHz
感度 20 mV/Pa +- 3 dB(自由音場、無負荷、1KHz)
最大音圧レベル 130 dB
信号雑音比 106 dB
周波数帯域 2,400 – 2,483.5MHz
遅延 4ms
電圧 3.7 V
電源 リチウムイオン 3.7 V DC(850 mAh)、5時間可動(充電3時間)
端子 XLR(3P)
寸法 送信機 約86x24x28mm、受信機 約109x24x28 mm、ケーブル1.6m x 10mm
質量 送信機 58g(ベルトクリップ付き)、受信機 66g、マイク 22g
付属品 XSW-D 3.5 mm 送信機、XSW-D XLR オス型 受信機、ME 2-II ラベリアマイクロフォン、ベルトクリップ、USB-A – USB-C 充電ケーブル、ラベル用カラーステッカー

気になるポイント

ワイヤレスラベリアマイク(ピンマイク)という事で混線や遅延が避けては通れないため、動き回る演者ではない限り使用しない方が無難です。胸元にラベリアマイクをつける関係上、触るとノイズを集音してしまうため、動きすぎる演者(ダンス)の場合はヘッドセットにするか口元に加工するのがベストです。

まとめ

今回はライブ配信に絞ったマイクをご紹介いたしましたが、音響で一番使っているSHURE SM58をあえてご紹介しなかったのはライブ配信でハンドマイクして欲しくなかったからです。私なら用途別にマイクを揃えておきたいのですが、ライブ配信は音響に拘る時間があまりないため、同じマイクで同じ調整した方が上手くいく可能性があります。

また現在MKE600を使用しておりますので、次に購入するマイクもMKE600にして、その次にはAT4021やC451Bの導入を検討したいと思います。

マイクは消耗品ながら大事に扱えば長く利用できますので、皆様もコンデンサーマイクには防湿庫に保管するなど万全な管理を行い、ライブ配信本番に向けて調整してみてはいかがでしょうか?

皆様がお勧めなマイクがありましたらコメントをお願いいたします。

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