こんにちはXONE STUDIOのくまひろです。
ライブ配信講座③ではライブ配信の運用方針などを紹介しましたが、今回はライブ配信における当日の流れと本番対応について解説していきます。すでにライブ配信している方でも、演者一人でライブ配信をオペレーションするのは大変ですので、この記事を参考にしてみてください。
事前準備
前回紹介した運用方針で結線図を基に使用する機材が分かりましたので、まずは機材を手配します。機材の搬入は手作業なため、キャリーケースやキャリーバックに入れる事が多いです。
XONE STUDIOでもキャリーケースを購入しました。今後はこちらのキャリーケースに機材を入れて現場入りしたいと思います。
移動
機材手配が済みましたらXONE STUDIOから会場までの移動となります。XONE STUDIOでは可能な限りコストパフォーマンスの高い移動手段を採用しますが、一番利用するのが新幹線です。車内にはトイレ・自動販売機・喫煙所・ネット回線がありますので、快適なリモートワーク場所となります。
7月までは新幹線内でもWeb会議を行なっておりましたが、クライアントとのお打ち合わせでは、流石に車内を降りて構内にあるカフェに移動しておりました。意外にこのカフェ代が馬鹿にならなかったのも記憶に新しいです。
印刷
コンビニエンスストアで結線図や進行台本の印刷を行います。これがカラープリントであれば、地味に高い経費となりますので、出来る限り事務所や営業所内で印刷したいですね。
会場入り
ここからは時間との闘いです。私は以前に遅刻魔でしたが、配信を担当するようになってからは、会場入り時間1時間前には会場付近に到着するようになりました。最近はあんまり減りましたが、会場入り時間前にホテルのロビーに集まり、本日の運用すり合わせを行う事が多かったからです。
運用すり合わせを行わない場合でも、ロビーで全員集合し会場入りするのが好ましいです。チームで配信を担当しますので、特段な理由がない限りバラバラと会場入りせず、全員揃って会場入りしましょう。
準備
会場入りしましたら、まず会場担当者へ挨拶します。この挨拶はかなり大事な事で、この挨拶を怠れば会場担当者と上手くいかないケースが多いです。特に斜め上から冷淡な口調でお願いした場合は、ほぼこちら側の要求は叶えられないと思って良いほど、挨拶は大事だと常々実感しております。
ここからの役割としてはP=プロデューサー、D=ディレクター、T=テクニカルスタッフ、C=カメラマンの担当です。
電源確保(T)
電源はなるべく独立した壁コンセントの平行電源を探します。会場によってはフロアコンセントもありますが、躓いたり抜けたり、カバーが破損したりするリスクがあります。
ネット回線チェック(D)
ネット回線チェックは会場有線LANを優先的に測定します。会場有線LANが高速であればモバイル計測はバックアップ回線ですので、会場有線が高速で安定していればDの仕事の半分は終わったも同然です。
PCの設置(D)
ネット回線を確保しましたらPCの設置です。これはテクニカルスブースとの兼ね合いとなりますが、テクニカルブースのオペレートし易い位置を先に決めてあげましょう。
カメラ設置(C/T)
カメラの設置はカメラ画角を決める上でも重要です。会場によっては先にカメラを設置することもあります。
機材設置(T)
機材の設置はテクニカルが担当しますが、ディレクターやカメラマンの余裕があれば手伝ってあげましょう。手伝わない場合は、リハーサル配信開始が遅くなり次のセクションまで時間が掛かります。ワンマンオペレートでなければ、配信はチームで対応していますので、チームワークを発揮しましょう。
リハーサル配信開始(D)
ここまでがリハーサル配信の流れです。基本的にプロデューサーはクライアント対応以外何もしません。またベテランスタッフになればここまでの作業を最速で行えます。
今日の配信ではワンマンオペレートでしたが、全ての準備を整えてから配信するのに47分でした。これがOJT抜けたスタッフなら90分掛かるかと思います。
なぜならワンマンオペレートでは通常ディレクターとテクニカルの2名担当する事を全て担当することになりますので、どちらの分野にも精通したスキルが必要だからです。
リハーサル配信
リハーサル配信を開始しましたら、ここからは少しだけ余裕が出てきます。それはここから安定した運用を心掛けないといけません。
進行内容の最終確認(D)
意外と進行内容の最終確認は忘れがちです。進行に変更がない場合は良いのですが、確認をしてない場合はクライアントと進行の相違がミス・トラブルに繋がります。必ず進行内容の最終確認を行いましょう。
進行のすり合わせ(D/T)
進行のすり合わせはかなり重要な時間です。お互いに不安が残らないように確認しましょう。もし進行の相違があればミス・トラブルに繋がります。
テクリハ(T)
進行のすり合わせが終わったら、テクニカルスタッフだけでテクリハを行いましょう。ちなみに今日の私はワンマンオペレートでしたので、5回もテクリハを行いました。本番中にミスするのはこのテクリハを行なっていないからです。習うより慣れなので、頭で考えるよりも身体に覚えさせたら成功します。これは配信に限らず音響や照明オペレートでもそうです。
資料確認(演者)
演者が会場入りしましたら、簡単な挨拶をして先に資料の確認をお願いしましょう。以前資料スライドが間違っていると、開会前から激怒した演者がいらっしゃいましたので要注意です。
レクチャー(D)
ディレクターの一番の見せ場はレクチャーにあります。私はレクチャーが苦手でいつも緊張しますが、回数をこなしたり練習したりすれば、レクチャーが上手になります。
リハーサル(D/T)
レクチャーが終わればリハーサルとなりますが、通常のWeb講演会ではリハーサルよりもきっかけの確認だけが多い場合があります。ここで最終確認も兼ねておりますので、進行に問題がないか最終確認しましょう。
リハーサル配信停止(D)
ここまでがリハーサル配信です。ここからは本番配信となりますので、ワンミスも許されません。スタッフが一丸となって対応すれば、あとは本番が待ってます。
本番配信
ここからは泣いても笑っても本番です。ワンミス=ワンデスですので、十分気を引き締めて対応します。
本番配信開始前最終確認(D/T)
これを怠る場合が多いので、初っ端からミスが出ます。開会前の表題スライドになっているか、BGMを入れているか、マイクはオフかなど確認すべき事がありますが、ここでのミスはスタッフ間のコミュニケーション不足が要因となります。
本番配信開始(D)
基本的に表題スライド+BGMですが、ループスライド・動画・ジングルありと意外と気が抜けないのがこの開場時間です。私が舞台担当していた時は、ここで各スタッフとのタバコミュニケーションタイムでしたが、配信ではそれは通用しないみたいです。本来なら一息つけたいですね。
開会(司会)
カウントダウン後にマイクをオンにしてからカメラに切り替えます。司会は影アナが多いですが、まれに司会もカメラに映る事がありますので要注意です。
チャットフォロー
チャット機能を有効化にしている場合のみ発生しますが、私もYouTube Liveをする際にはチャットフォローを入れる事が多いです。チャットフォロー内容は「常時質問を受け付けております。チャット欄へご記入し送信ボタンを押してください」が一番多いです。
ご略歴紹介(司会)
司会から演者の紹介するシーンでご略歴スライドを配信に乗せる必要があります。フタスライドPCで表題スライドの次にご略歴スライドにしている場合が多いため、ディレクターがスライドを変更します。
ご挨拶(演者)
ここでご略歴スライドからカメラにスイッチングしてから演者のマイクをオンにします。演者の話が安定してから司会のマイクをオフにすると不用意なミスも防げます。これは音響オペレーションでも同様です。
ご講演(演者)
ご挨拶が終わりましたら、資料スライドに切り替えます。Web講演会の内容次第ではPinP(ピクチャーインピクチャー)にする事が多いです。またご挨拶の内容が不明な場合がありますので、テクニカルはここまで受講PCをモニターしなくても大丈夫です。カメラから資料スライドのスイッチングがテクニカルの見せ場となりますので、全集中で挑んでください。資料スライドのスライド一覧を写真に撮影しておくと、質疑応答の流れがわかり易いので、演者に不快な思いをさせないように一言お声がけして写真撮影してください。
質疑応答(司会/演者)
ご講演が終わりましたら、演者がお辞儀をしますのでその瞬間を見逃さずカメラにスイッチングします。その少し前に司会マイクをオンにするのを忘れないようにしましょう。チャット質問が来ない場合を想定して、事前に質問を用意してある場合もあります。その際には司会やクライアントに事前確認しておきましょう。
閉会(司会)
質疑応答が終わりましたら、最後に司会から演者へ謝辞を行い閉会の流れとなります。Web講演会の内容によっては次回Web講演会の告知もありますので、告知スライドの切り替えも忘れずにお願いします。
フタスライドを表題スライドに切り替え、マイクをオフにしてテクニカルがディレクターにきっかけを送りますと、ディレクターが「OKです。ありがとうございました。」と声を出します。この声の大きさによってこの後の拍手喝采があるかどうかとなりますので、なるべく大きな声でお声かけしたいですね。
この流れが一般的なWeb講演会の流れです。後は座長が増えたり演者が増えたり、ハイブリッド講演会では視聴者がいたりと役割者が増えるだけ、基本的には変わりません。
撤収
ここからも時間との闘いです。会場の使用時間が決まっていたり、クライアントの営業所だったりしますと、早急に撤収を行わないといけないケースもあります。
本番配信停止(D)
忘れてはいけない事は、閉会しても配信を続ける事があります。その際に電源を抜いたりとかすれば大事故になりますので、注意が必要です。不安であれば本番配信停止するまで撤収しないほうが良いでしょう。意外と会場スタッフが先にバラし始める場合があります。その際には一声かけてからバラし開始をお願いすると良いでしょう。
機材バラシ(D/T/C)
まだ配信を続けてる場合がありますので、配信に関係ないカメラやマイクなどを撤収しましょう。配信が終了していれば、「配信停止しました。全バラ開始です。」とディレクターが言って撤収を開始します。
機材梱包(D/T/C)
機材梱包もこれからの移動で機材を壊さないようにするために大事な事です。私はすべての機材を一旦まとめてから、梱包を開始します。
適当に梱包しますと機材の入れ忘れが発生するので注意が必要です。置き忘れが発生した場合は、後日受け取りに行く無駄な労力が必要となりますので、最後の最後まで気をつけながら梱包します。
ご挨拶(P/D/T/C)
最後は関係者全てにご挨拶をしましょう。舞台やイベントもそうですが、配信でも挨拶は大事です。次の配信に繋がるかどうかもここに関わってきますので、丁寧にご挨拶しましょう。
もしミス・トラブルが発生した場合は、うまむやにせずキチンと報告しましょう。仕事で嘘をつくと、それがどんな些細な嘘でも大事になる可能性があります。ミス・トラブルを事前に防ぐのは大事ですが、発生したミス・トラブルを次回も発生させないようにするのが大事です。
退出(P/D/T/C)
ご挨拶が終わりましたら退出します。機材発送があればこの後行いますし、もしミス・トラブルが発生している場合は、この時に反省会をした方が良いでしょう。次回も同じスタッフで配信を担当した場合も、各役割がやり易くなりますのでお勧めです。
むしろ反省会をしない場合はお互いの時間を奪わないよう、早めに解散しましょう。
まとめ
今回はライブ配信スタッフとして1日の大まかな流れを解説しましたが、これは配信に限らず他のイベントでも同様の流れです。
- 事前準備
- 移動
- 会場入り
- リハーサル配信
- 本番配信
- 撤収
私は音響・照明の経験があるため、配信業界への移行も配信のコツさえ掴めば早かったです。なんせOJT3回での卒業は前例がない事ですので、現在イベント関係で案件がない方は、配信業界に移行してみてはいかがでしょうか?
次回は納品物について解説しますので、不明な点や確認したい事があれば、コメントを宜しくお願いいたします。
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